賃貸住宅の管理会社とは、何でも言うことを聞いてくれる優しいコンシェルジュではありません。賃貸物件と賃借人（あなたのことです）を管理する人です。
管理会社とは、委託者の依頼を受託して管理業務を行う会社。
不動産の場合、分譲マンションを管理する分譲管理会社と賃貸マンション・アパートなどを管理する賃貸会社に大きくわかれる。分譲と賃貸、両方の業務をこなす管理会社もある。
管理業は不動産業ではありません。したがって不動産業の免許（宅地建物取引業免許）を持っていなくても管理業務に差し支えはない。
管理会社の規模やシステムは様々。 数万戸・数十万戸を管理する全国規模の会社や大手不動産会社の系列子会社から、数百戸・数千戸を管理する地域密着の会社まで。仲介専門の不動産会社が大家さんから頼まれてアパート一棟だけ管理してる、てのもある。これも広い意味での管理会社。
賃貸不動産管理会社の業務は意外と多岐にわたります。入居者管理、家賃管理、建物維持管理、トラブル対応、クレーム対応、退去立ち会いに退去精算、原状回復リフォーム、新規入居者募集活動、賃貸借契約の締結。さらに大規模修繕提案やら新築提案、工事管理など。もちろん家賃に関すること、家賃回収業務や家賃滞納の督促業務、そして家賃値下げ交渉の相談対応も。これらの管理業務全般を一社で全て行っている会社や物件もあれば、家賃管理、入退居管理、清掃、入居者募集など、一部だけ管理を受託する会社や物件もある。
入居者向けに２４時間緊急対応サービスを行っている管理会社は多い。実態は緊急対応専門会社や警備会社に電話が転送され、彼らが現場に走ったりするところが多い。緊急対応業務のアウトソーシング。
規模が小さかったり古い体質の管理会社は外注していないところも多い。緊急連絡は社員の携帯電話に入る。深夜、早朝、休日関係ない。だからあんまり無茶振りしないでください。
「宅配の荷物が届くけど居てないんで管理会社で受け取っといて。あ、生ものだから絶対に腐らさないでよね」
「駐輪場にとめてた自転車盗まれた。管理会社の責任だから弁償して。バイト休んだからその分も」
「今月ちょっとピンチなの。だから家賃一ヶ月待ってよ。はあ？こんなに頼んでるのにダメなの？なんで？」
「となりの家がうるさい。黙らせてくれ！」（となりの部屋じゃありません。となりの家だそうです）
「マンションの廊下にガムがこびりついてます。気分悪いので今すぐ掃除しに来て。明日じゃだめ今すぐ（深夜0時）」
「キッチンにゴキブリがいた！ゴキブリ出るなんて聞いてないんだけど早く来て何とかして管理会社でしょー！！（深夜１時）」
「生ゴミ出せるのって何曜日？木曜？それって今日なの？明日なの？（深夜2時）」「あと、空き缶って生ゴミだっけ？」
「廊下から足音みたいな音がする！怖いから見に来て（深夜）」
「隣の家が火事だけど！早く消して（深夜）」
・・・今日も管理スタッフは真心込めて丁寧にご説明したり、職業意識と賃貸愛に燃えて昼夜を問わず現場に駆けつけているはずです。
だから、 あんまり無茶振りしないでくださいね。
